世代間ギャップをチャットで乗り越える

こんにちは
ウエイクアップ組織変容コーチの中村菜津子です。

私は関西在住で、阪神間でもの造りを
している企業に関わることが多いのですが、
そこにはある共通する大きな課題があります。
それは「若手への技能伝承」です。

震災や景気によって新卒採用を
抑えざるを得なかった影響で、年齢構成が
いわゆる瓢箪型になりました。
会社存続のため10年以上新卒を採用できなかった
という伝統ある企業もあります。

その結果、ベテランと若手の間を結び、
しっかりと現場を動かしてほしい30代後半から40代が
すっぽりと抜けているという今を迎えています。

どの企業も若手の早期育成が急務となるわけですが、
親子ほど年の離れているメンバーで構成される現場は
なかなか大変です。
「昭和な軍隊方式はダメですよ」と言われても、
他の方法を知らないのでどう指導してよいのか
わからない。
そしてついていけない若手が辞めてしまう。

さらに中堅がいないことで忙しさも倍増し、
ますますベテランの指揮の元、若手には
教えた仕事を間違いなくしてもらって、
納期に向けて走らなければならなくなる。

本来なら、それぞれの状況を把握して、考えさせたり
経験させて若手の育成をしていきたいけれど、
そういった人財育成も難しくなっているようです。

雑談も一苦労のようです。
「最近の若い人はテレビも見ないし、車も買わない。
せめて阪神ファンでいてくれたら
話すきっかけが見つけられて、そこから仕事の話も
もっとざっくばらんにできるのに」といった
ベテラン社員の戸惑いもお聞きします。

ここからはそんなある企業のベテラン班長Aさんの
取り組みのご紹介です。
(ご本人には掲載の許可をいただいております)

新型コロナ対策ですっかり増えたある
オンライン会議の最中に、本社から異動してきた
ばかりの10歳も若いAさんの上司である課長から
「〇〇ってどこの部の人のこと?」
「〇〇ってなんの略?」などとチャットが
頻繁にAさんのところに送られてきたそうです。
そして会議終了後、「瞬時に答えてくれたので、
会議の理解度が高まりとても助かりました」
とお礼を言われたそうです。

Aさんはこの時、
「チャットを使って部下と会話をしてみよう」
とひらめいたそうです。

早速、社用スマホで5名の若手と
それぞれ個別にチャットを始めました。
最初はAさんの方から「さっきの説明でわかった?」
「今度は一人でできそう?」など、
ことあるごとにマメにメッセージを送ったそうです。

会話に慣れてきたらグループチャットも作成しました。
その結果、質問が共有化されたり、
マニュアル化できない「勘、コツ、ツボ」も
伝えやすくなったそうです。

さらに何につまずいているかが
具体的にわかるようになり、昼休みのリアルな会話も
少しずつ増え、距離感は確実に縮まっているそうです。

反面、タメ口になりがちだったり、
考えずにとりあえず質問をするという姿勢が増えつつ
あるところがこれからの課題だとおっしゃっていました。

この方法は、職人の世界だけでなく、
どんな組織でもコミュニケーションを活性化させる
一つの手段になるかもしれないと思いました。
特にリモートワークが増えてこれまで以上に
お互いの様子がわかりにくくなっている今、
活用の仕方次第ではいろいろな可能性がありそうです。
皆様の職場づくりのヒントになれば嬉しいです。

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