2つのリーダーシップのかたち

こんにちは、ウエイクアップ・リーダーズ・マガジン

編集長の平田淳二です。

「私、経営者やマネジャーじゃないから、まだリーダーシップは関係ないかな」

といつも読みながら思っている方!

それは間違っています。
ビジネスでは、様々なポジションから、いろいろな方法でリーダーシップを発揮する方法がありますし、求められています。

今回は2つのリーダーシップのかたちを紹介します。

株式会社ウエイクアップ チーフケアテイカー

山田 博

 

~「前から」と「後ろから」の引き出し方~

今回は、コーアクティブ・リーダーシップの力の引き出し方の「前から」と「後ろから」を同時にご紹介します。

まずは、「前から」のリーダーシップです。リーダーが前に立って方向性を示したり、指

示を出す姿は馴染みがあって、よく見かけるものですね。

コーアクティブなリーダーシップでも、もちろんリーダーが力強くビジョンを示す場面もあります。

ただ、皆さんにこんな経験はありませんか?

練りに練った方針だし、どこからみても正しいと自信があるので、再三再四メンバーに方針説明し、行動を指示しているのに、思ったほどにメンバーが動かない。

そんな時、結果を出すために、さらに声を大きくして、指示を出し続け、自分もメンバー

も次第に疲弊していく。

私も営業マネージャーになりたての頃、まさにそんな経験をしました。

業績があがらず、もがくほどに悪循環に陥ってどうしてよいかわからない。

そんな時、リーダーはあらためてメンバーとの「つながり」を意識する必要があります。

それは、そもそもメンバーとの間に信頼があるのか、自由にものが言える雰囲気があるのか、

といったことです。

私の例でいえば、先ばかり見て焦っていて、目の前にいるメンバーのことを見ていないので、

つながりは薄れ、1人で空回りしていたわけです。

では、このつながりを創るには何が必要なのでしょうか?

まず、リーダーが自分をさらけ出す必要があります。自分の失敗を認めなかったり、本当は困っているのに、強がってばかりのリーダーとは心の距離が離れていきます。

逆に、自分の状態を包み隠さず、率直に表現していると、メンバーも近づきやすくなりますよね。

一方で、つながりは仲良しとは違います。メンバーと近づきたいばかりに、なんでも受け入れる態度を取っていては、ぬるま湯のチームになってしまいます。

時には、勇気を持って厳しいフィードバックを伝えることも重要です。それがメンバーの成長を思っての本気の言葉であれば、かえってつながりは強くなります。

リーダーがありのままの自分であって、率直なコミュニケーションが日常的にある時、信頼が深まり、つながりが生まれます。

そして、リーダーがつながりを保ちながら、力強く方向性を打ち出す時、チームは自ら動き出します。

次に「後ろから」のリーダーシップです。

誰でも、前面に立って進もうとする人を応援する立場を経験したことがあるのではないでしょうか?

たとえば、

子どもの成長を見守る親の立場。

部下に仕事を任せる上司の立場。

選手の活躍を声を枯らして応援する立場。

こういう立場の時に、どんなことがあると、応援された人は力が湧いてくると思いますか?

それは、相手を信じて疑わない気持ちと態度です。

親の立場でいえば、転んでしまいそうな時に、思わず手を差し伸べたくなるところをぐっと

こらえて、「必ずできる!」と信じて見守ること。

時にそれは忍耐が必要で、親としてつらい思いもするかもしれませんが、その見守る態度が、子どもを力づけます。

仕事を任せた上司の場合。

任せてはみたものの、成果があがるかどうか気になってしょうがない。ついつい出だしをしてしまい、部下の不信を買う。そんなことが起きがちです。

失敗を通じて学び、きっと成長すると信じて黒子に徹すること。

部下が意気に感じて力を発揮するにはそんな環境ではないでしょうか。

オリンピックの競技後のインタビューで、選手達から口々に、「皆さんの応援に力をいただきました。」という言葉が出てきます。

勝利を、記録を信じて疑わない気持ちが、見えない力で後押ししています。

これらは、すべて「後ろから」のリーダーシップです。

惜しみなく奉仕するリーダーがいる時、前面に立つ人は力づけられ、思い切って一歩を踏み出すことができます。

また、ウエイクアップが提供している「コーチング」もこの「後ろから」のリーダーシップのひとつの表現です。

コーチがクライアントの可能性を信じて、クライアントの言葉を評価判断せずに心から耳を傾ける時、クライアントは未知の領域にリスクを取って行動できるのです。

リーダーは時と場合によって臨機応変に「前から」と「後ろから」のリーダーシップを行き来する必要があります。

自分が自然に力を引き出せるのはどちらなのかを自覚していくことで、苦手な方を意識的に磨いていく助けにもなります。

 

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