その会議の目的を確認した上で会議を始めることの大切さを、前回の第1号でお伝えしました。
今日の第2号では、「会議の雰囲気を意図的に創る」をお伝えします。
皆様もこれまでたくさんの会議に出席してこられたと思いますが、それぞれに、さまざまな雰囲気があったことと思います。
ある会議は‘活き活き’とした雰囲気だったかもしれませんし、また別の会議は‘真剣な’雰囲気、さらにまた別の会議は‘和やか’な雰囲気だったかもしれません。
或いは、恐怖のあまり‘生きた心地がしない’会議もあったかもしれません。
会議の雰囲気は、その内容や主催者の態度や進行の巧拙、発言者の発表内容、参加者の感情など、いくつかの要因が重なった成り行きとして偶発的に現れるものととらえることが一般的ですが、
実は会議の雰囲気は意図的に創ることができます。
その会議の目的を達成するために必要な雰囲気は、自分達で意図的に創ることができるのです。
具体的な方法は簡単です。
まず主催者が、
「この会議の目的を達成するために、私はこの会議をこんな雰囲気で進めたい」
という意図を全体に表明します。
次に、
「この会議の目的を達成するために、あなたはこの会議をどんな雰囲気で進めたいですか?」
と参加者全員に問いかけ、1人一言で発言してもらいます。
可能な限り、全員の発言を求めたほうが効果的です。
参加人数の都合等でそれが叶わない場合は、参加者を2人ないし3人組に分ける形で、自分が創りたい雰囲気を全員が言葉にして発言する時間をとるといいでしょう。
そして、主催者並びに参加者全員が意図する雰囲気を、参加者全員の目に入る場所に書き出します。
ここで全員の答えをまとめる必要はありません。
ただ、それらを1つずつ読み上げる形で、再確認します。
手順はこれだけです。
ぜひ、今日から皆様も試してみてください。
少しだけ解説させていただくと、目的の達成のために参加者全員で力を合わせるにあたり、どんな雰囲気ならばそれがより容易に実現できるのかということを、私たちの無意識や体感覚は既にその答えを知っています。
ところが、一般には、その答えを言葉にして意識化し意図する機会のないまま会議が始まりますので、いつもどおりの言動パターンの結果として生まれてくる雰囲気で、会議が進んでいくことがほとんどです。
その結果として生まれる雰囲気が、会議の目的の達成に資するものであれば問題はないのですが、もし、会議の目的から見てその雰囲気が逆効果なのであれば、リーダーであるあなたは、会議の雰囲気を全員で意図的に創ることにチャレンジしてみてください。
私たち人間はとてもよくできたシステムで、目的が設定されると、その達成に向けて、意識や無意識が作動し始めます。
無意識がセンスしてくれた目的達成に資する雰囲気を、自分の意図として発言することでその会議への当事者意識も強まりますし、それが、会議という生き物が息を吹き返すきっかけを創るのです。
皆様も、会議という生き物の雰囲気を意図的に創ることを、今日から楽しんでみてください。
今回も最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。