パーマカルチャーと組織開発

パーマカルチャーと組織開発(3)絶対的安心感が創造性を生む

「かつみちゃん、来週のミーティングですが、」
「よういっちゃん、今後の事前インタビューですが、」
「まっきーさん、先日のワークショップ、お疲れさまでした!」
「HIGAさん、来月の発表会、聞きに行ってももいいですか?」

この会話、友人との会話では無く、私自身のお客さまとの会話です。

全ての場合ではありませんが、私たちは許可を得た上で、ビジネスシーンでもお互いをニックネームで呼び合うことがあります。

卒業して時間の経った同級生に、当時の呼び名で呼ばれたことを想像してみてください。

その時どんな気持ちに、また、表情になるでしょうか?

きっと、嬉しくなり、ニコッとし、一気に当時の関係性に戻っているのではないでしょうか。

パーマカルチャーは循環型社会を目指す一つの指針で、一言で言うと
「世界中を森で覆い尽くそう!」
だということは過去のメルマガにも書かせて頂きました。

世界を森で覆い尽くすことに限らず何か事をなそうとしたとき、自分ひとりでできることは限られ、仲間が必要なことはみなさん体験を通じて知っていると思います。

では仲間を得た後どうするか。

今回お伝えしたいのは、絶対的安心感を得る重要さについてです。

絶対的安心感とは、平等な関係で、全て受け入れられ、受け入れる関係から得られる精神
的満足度です。

人は誰しも「絶対的安心感」を得たいという本能を持っています。

人によっては幼少期に両親からの愛情を通して得た方もいるでしょう。もしかするとそれは一部の方で、多くの人はどこかで受け入れられる、認められることを欲しています。

一方で、今の社会に目を向けて見ると、終身雇用も崩壊し、核家族化も進み、つながり感が得にくい状態になっています。私たちはなお一層、無意識に絶対的安心感を求めています。これが近年あちこちで起きているコミュニティムーブメントです。

リミナリティという言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは人類学の言葉で「通過儀礼」という意味を持ちます。

古代の社会では、リミナリティと呼ばれる通常1年から3年の期間が意図的に用意され、そこを
過ごすことにより、コミュニタス(平等)を得られる機会がありました。

つまり、「大人と子供」もしくは「与える側と与えられる側」という関係ではなく、それまで
の状態をリセットし、平等になる期間がリミナリティです。

ここで人は、自由でありながら社会的責任を負い、かつ、互いの存在価値を認め合うことになります。

私たちがウエイクアップが、仕事を通して知り合う方々と、敢えてニックネームで呼び合うこと
には、実はこういった深い背景が、、、あった訳ではありません(笑)。

当初は、親しみを込めて、お互い楽にいられるように、また心地良い関係性のために、くらい
だったと思います。

しかし、リミナリティやコミュニタスの概念を知ると、より良い社会を作っていくために、
または組織開発していくために、たかが呼び名かもしれませんが、平等・対等な関係構築は大事なのでは、と思います。

もちろん大前提としてお客さまであることの視点と、リスペクトがあることが前提です。

先日、お客さまとの打合せで「ウエイクアップさんとの打合せでは、何を話しても良い、安心安全な場が作られていますよね。どんどんアイデアが湧いてきてワクワクします。こういう雰囲気を社内に広げたいんです!」というお言葉を頂戴しました。

創造性が拓かれた職場に向けて、みなさんもニックネームで呼び合ってみませんか?

 

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「パーマカルチャーと組織開発」 ~ その2・良い森と良い組織の共通点 ~

こんにちは。
関東地方は新緑が美しい季節になりましたね。

今回のメルマガでは、まさに季節にピッタリの『森』がテーマです。

前回は『森と組織』と題して、森は適切な関わりがあってこそ生き生きさを増す、ということを書きました。

「適切な関わり」を知る前に、良い森とは何かを考えてみましょう。

どんな森が良い森かは、見方の数だけ表現があると思いますが、パーマカルチャー的に表現するならば、以下のような表現になります。

「遷移を経てできていて、階層構造(極相)がある森」

階層構造がある森は、植生においてはそこに循環システムが出来ていると言えます。

そして極相を経た森が出来るためには、以下の6つの段階が必要です。

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1.裸地 (土壌はなく、岩石など)

2.地衣・コケ類の侵出
(胞子が飛来し地衣類・コケ類が生育)

3.草原
(土壌に栄養が蓄えられ、草木が定着。微生物最大)

4.陽樹林
(アカマツ、シラカバなどが形成される)

5.陽樹・陰樹混成林
(陽樹の成木と、シイ、カシなど陰樹が生育し混生)

6.陰樹林
(混生林の下で生育するのは陰樹のみで極相に至る)
———————————————–

パーマカルチャーの究極の目的が「世界を森でおおい尽くすこと」である理由は、そこに完全な循環環境が実現されているからです。

上記の『良い森』になるには、もしかすると何百年何千年という時間をかければいずれなるかもしれません。

しかし、人が智慧を用い、手を掛けることによって、その遷移が促進される可能性があるのです。

それが「適切な関わり」です。

森の場合、それは下草を刈ることだったり、枝を払うことだったり、多岐に渡るでしょう。

ここで意識を組織に切り替えると、「適切な関わり」は何になるでしょうか?

皆さんの属する組織という森は豊かでしょうか?

循環し続ける仕組みができているでしょうか?

近くに森があれば森の木々を、無ければ公園の木でも、テーブルの上の観葉植物でも構いません。

しばし新緑を味わいながら、考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

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