「チームって何ですか?」
デジタル大辞泉によると、『ある目的のために協力して行動するグループ』とあります。
では、皆さんの組織・チームでは、目的・目標を達成させるためにお互いに協力し合う行動をとっていますか?
時々企業の人事や経営企画の方から、
「“チーム”や“課”で1人ひとりは優秀で、自分の役割に一生懸命取り組んでいるけれども、協力している感じがしない」
「強いリーダーシップを持った人がチームを引っ張ってうまくいっていても、その人が異動等で離れてしまうとチームが崩壊してしまう」
というご相談をいただきます。
こうしたケースは“誰が悪い”というわけではなく、その組織やチームの中で人と人との間に生まれる“関係性”に問題があるのではないでしょうか。
チームが持続的に機能するために必要な関係性について、4つのポイントを挙げてみます。
1.チームメンバー1人ひとりの意見を出せるオープンな場である
声の大きい人の意見に引っ張られ、それがチームの総意であるかのように決まってしまう時があります。
しかし、実際は毎回全員の意見が同じというケースは多くはありません。
むしろ、異なる意見が出てくることが当たり前ではないでしょうか。
1人ひとりが様々な意見を自由に出せることで、チームに対する所属意識が高まり、また新しいアイデアや発想も生まれやすくなります。
2.チームメンバーが、「自分達は何を目指していて(目的・目標)、どんな存在なのか?」ということを認識している
決めた目的・目標に対して、チームとしてどんな価値を提供できるのか、1人ひとりがどんな存在で、チーム対する距離感や想いがどんな状態なのかがわからないこともあります。
そのため、チームの販売目標や行動目標は決まっていても、メンバーが腑に落ちていないことがあります。
地図を見て目的地や目標地点がわかっても、現在地がわからなければ道を進むことはできません。
まず自分達が何を目指し(目的・目標)、どんな存在なのかを知っておくことがとても大切です。
3.意見を出し合い戦わせながら、お互いを尊重し協働関係を創る
チームメンバーが相乗効果を発揮してチームの目標に向かっていくためには、協働関係を創ることが大事です。
しかし、ややもすると、意見の対立を避けてしまうケースが見られます。
私自身、自分の意見に反対されることはあまり好きではありません。
では、どうすればいいのでしょうか。
まずは、反対意見であっても相手の意見をしっかり受け止め、その意見の良いところを見つけることが重要です。
そして、相手の意見に敬意を払いつつも、自分の意見を表明していく。
これが、協働関係を創るコツなのです。
4.不満や愚痴を肯定的にとらえ、チームのエネルギーに変えていく
「不満は口にするな!ポジティブにいこう!!」と、ポジティブを強要する人が時々います。
しかし、不満や愚痴は、その人がチームに対して願っている状態が達成されていないから出てくるものであり、「自分が理想とする姿を達成させたい!」というエネルギーでもあります。
不満や愚痴の奥にある、人の願いや思いを聴いてみると、チームの関係性が肯定的なエネルギーに変わっていくことがよくあります。
この4つのポイントは、組織の「関係性」にフォーカスしたもので、これだけで良い結果が出るわけではありません。
しかしこの4つがあれば、メンバーがお互いに自立し、イキイキとした持続可能なチームを築いていくことが可能になるのではないでしょうか。
ぜひこの4つのポイントから、ご自身のチームを振り返ってみてください。