こんにちは、組織変容コーチの川添香です。
心理学の実験には興味深いものが
たくさんあり、記事を見つけると
ついつい読んでしまいます。
その中でも、へぇーボタンを押し続けて
しまいそうな心理的安全性に関わる
実験があるのでご紹介したいと思います。
題して「腐ったリンゴの実験」
日本では腐ったミカンの方がピンとくる
感じがします。
内容は、チームに悪影響を与える3つの
典型的なタイプを想定し、演技のうまい
学生ニックに演じてもらい、
その影響を測るというもの。
まさに腐ったリンゴがひとつあると
周りのリンゴも腐るのかという実験ですね。
その3タイプとは、
①性格が悪い:相手に対し攻撃的、
反抗的な態度をとる
②怠け者:労力を出し惜しむ
③場を暗くする:ネガティブで愚痴や
文句ばかり言う
実験では、チームの生産性を測りました。
ニックの演技力も相まって、
ニックのいるチームの生産性は30~40%も
落ちたということなのです。
読みながら
チームにこんな3タイプがいたら、
チーム内の空気感が気になりすぎて、
本来の仕事に力を出し切れないなあ、と
自分を振り返ってしまいました。
ところが、あるチームだけ
パフォーマンスが落ちないチームが
あったのです。
それは、ジョナサンという学生がいる
チームでした。
調査チームは
ジョナサンのやっていることを何度も
映像を見て研究しました。
彼は、ニックが暴言を吐くと、
ニコニコと笑顔を振りまき、
場を柔らかくしていくのです。次に
質問をして発言を促し、よく聴きました。
すると、メンバーは安心し、心を開いて
自由な発言を取り戻すのでした。
まさに、毒消し、
毒の中和作用をするように、
ジョナサンの行動は働いていたのです。
ジョナサンは強いリーダーというわけでは
なく、普段から控えめな人物でした。
強い指示や鼓舞ではなく、
小さなメッセージを送り続け、チームの
心理的安全性を再構築していたのです。
システムコーチング®にも4毒素(非難・
防御・侮辱・逃避)という考え方があり、
それに対して解毒剤があると考えています。
解毒剤を自分たちで作ろうとすると
難しいものですが、
ジョナサンの行った小さな関わりは
私たちにもできるのではないかと、
少しほっとできるのではないでしょうか。
人にはミラーニューロンという
神経の働きがあり、無意識のうちに
環境から強い影響を受ける存在です。
ジョナサンのように意識的に
安心をもたらせる人がいる組織は
お互いに影響し合い、
結果的に強いチームとなっていきます。
実際システムコーチとして関わると、
コーチの関わり方が参考になったと
感想を言ってくださる方が多いのです。
自然とジョナサンのようなふるまいを
しているのかもしれませんね。
余談ですが、私は果物アレルギーがあり、
モモ、サクランボが食べられません。
ところが熱を加えたもの、缶詰などはOKです。
食べられないものと排除してしまうより、
少し加工すれば美味しくいただける
と思うのが幸せだなと考えています。
※システムコーチング®は
CRR Global Japanが所有する登録商標です。
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